学生のための趣味的企業訪問: 第1回NTTデータ ~人のくらしをデータで支えるエキスパート~
突然開始の新企画「学生のための趣味的企業訪問」の第1回目は、「株式会社NTTデータ」さんです!
でも、「え、それって超人気企業じゃない?」という疑問の声も聞こえて来そうです。なんせNTTデータと言えば、理系就職人気企業ランキングの上位に位置する超人気企業。楽天による「2015年卒学生対象【IT業界】就職人気企業ランキング」では堂々の1位!
http://corp.rakuten.co.jp/news/press/2014/0317_02.html
規模もビッグで売上高はなんと1兆円以上。社員数も1万人あまりの巨大企業。
知る人ぞ知る、隠れた魅力的企業を紹介するという、変化球狙いの本企画としては直球ストレートすぎるような気もいたしますが、実は、逆訪問を受けてしまったのです!
不思議なことに、私が非科学的として蓋をしつつもやはりどこか惹かれてしまうユングの提唱するシンクロニシティを反映してか、企業訪問企画を思いついたとたんに、NTTデータの社員さんが檀ラボをご訪問してくださったのです。なんという偶然!
といってもそれほど神秘的な現象では、実は、ありません。コラボをしている経営システム工学科の加藤研の卒業生さんがNTTデータの社員さん。大学の授業が終わる時期に加藤研でイベントが開かれるので、その途中に、近場にある檀研に寄ってくださったわけです。一方、大学の授業が終わると、大学教授という人種はイベントを企画したり、新たな妄想を広げがちということで、あたかも偶然が重なったがごとく見えるのですね。
という冷静な現象論の解説はさておき、この一期一会の機会をさっそく活用させていただきました。ということで、今回お越しいただいた経営システム工学科出身の葛西さんと若手社員の畠山さんに、NTTデータの魅力をおうかがいいたしました。
まず、NTTデータの率直なイメージというと、大企業のITデータを管理、運営するシステムインテグレーションの巨大企業。そこに理系で就職となるとプログラミング能力バリバリのシステムエンジニアが主なのかな、と思いがち。でも実際は、
「人と人をつないでまとめて、1つのベクトルへとマネージメントするのが主な仕事ですね」。
ということだそうで、日々のお仕事もパソコン相手にデータと格闘というよりは、実際の企業や団体に赴き、関係者のお話に耳を傾けたり、そこで生じている様々な問題に対する解決案を提案したりするという作業が主のようです。
「それこそ、ローカルな小さな集会で、お互いに腹を割って話し合うようなこともあります」。
となってくると、なんだか、システムインテグレーションの巨艦というイメージがちょっと崩れてきますね。当然、システムエンジニアも働いているわけですが、決してそれだけではない、と強調なさっていました。
となってくると、気になるのは、実際のお仕事なのですが、コンサルティング業務には一つとてつもなく重い任務があります。それは守秘義務。クライアントの問題に関しては、依頼者はもちろんのこと、その課題、解決案全てに守秘義務が生じているのです。壁に耳あり障子に目ありで、こんな小さなブログがきっかけになって、秘密が漏れ、会社の信頼が崩れてはなりません。
ということで、残念ながら現場のリアルな活動はお伝えできませんが、NTTデータさんの一般的な活動を、紹介してみましょう。なにはともあれ、誰もがお世話になっているNTTデータのお仕事と言えば、統合ATMスイッチングサービス。なかなか聞いたことがない名前ですが実はものすごくたくさんの人が知らず知らずのうちに使っていたりします。ふだん、銀行のATMからお金を引き出そうとしたらどこの銀行のATMでもできちゃいます。気がつくと財布に諭吉さんはおろか、英世さんさえもいらっしゃらないという私のようなズボラさんにはなくてはならないサービスです。この「当たり前」と思っているけど、実は当たり前ではないサービスを実現しているのが統合ATMスイッチングサービス。全国1300を超える金融機関をネットワークで結んで、どこの銀行のATMからでもお金を引き出したり、振り込んだりすることができるようにしているシステムです。
統合ATMスイッチングサービスはその性格上、作ったらそれで終わりというわけではありません。24時間365日、誰もが当たり前だと思っているサービスを止めないようにシステムを動かし続けて、夜中の最終電車に乗り遅れそうな私を陰ながら助けたり、金融機関から「新しいサービスを始めたい」という要望があった時にはシステムの機能を追加したりしています(さらりと言うけど、動かしながら変えるのは、とってもたいへん)。
こういったシステムインテグレーターとしてのコンサルティング業務にとって大切な能力は何かというと、
「論理的思考とプレゼンテーション能力ですね。クライアントの話をよく聞いて、その中から問題の本質を見いだし、それを論理的なプロセスを通して解決していきます。そして、その解決策をクライアントに伝える際には、プレゼンテーションが、当然、必要になってきます。」
あれ、これはどこかで聞いたような台詞ですね。人間総合理工学科の学生さんなら、私の開講している「クリティカル・シンキング」でさんざん叩き込まれた教えです。単なる知的マッチョ系のドS講義だと思って、サボったり、選択しなかった学生さん、残念でした。この講義は、実はコンサルタント養成ギプスなのです。真剣に取り組んだ学生さん、おめでとうございます。この講義の延長線上に、ステキなコンサルティングの世界が広がっているかもしれませんよ。
そして、もうひとつ重要なのは、
「英語力ですね。活躍の場が米国、中国、アジア諸国などにどんどん広がっていて、当然、英語でビジネスをおこなうことが必要になってきます。理工系の基礎力に英語力が加われば、人材としてはとてもアピールできます。」
ここでも私が口を酸っぱくして主張している「英語力」が力を発揮するとのこと。やはり、私の教育方針は正しかった・・・、ことNTTデータに関する限り。
ということで、人間総合理工学科で理工学の基礎を学び、論理的思考とプレゼンテーション能力を磨き、英語力を身につけた「典型的」な人間総合理工学科の学生さんには、NTTデータさんは、かなりお勧めの企業です。もう一つうれしいのは、女性社員が多く、女性のためのキャリアサポートが充実しているということ。女子学生の多い人間総合理工学科にはうれしい情報ですね。
NTTデータでのお仕事に関心をお持ちの学生さんがいましたら、キャリア支援室を通してコンタクトしてみてはいかがでしょうか?あるいは、私を通して、先輩の方々に直接お話を伺うことも歓迎とのことです。インターン制度も充実しているようですよ。IT企業だし、超ビッグだし・・・、と躊躇するより、まずは扉を叩いてみると、意外と面白い未来が拓けるかもしれません。
(檀一平太)
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2015/05/02