回文短歌とは?
回文短歌とは文字通り上から読んでも下から読んでも同じになる文章、すなわち、回文でありながら、しかも短歌であるという、極めて難易度が高い言葉遊びです。一見、超絶技巧を要する文学表現の頂点のようにも見えますが、意味不明瞭になりがち、芸術性に欠けがち、さらに、作者がかなりのヒマ人に見えがちというように、かなり問題の多い表現手法でもあります。まあ、所詮、「言葉遊び」の域を逸脱しないという宿命を帯びているわけですが、過去には優れた作品も存在します。有名どころは
長き夜の遠の眠りの皆目覚め波乗り舟の音の良きかな
ながきよのとおのねむりのみなめざめなみのりふねのおとのよきかな
という江戸時代の名歌で、回文と言われなくてもそのままで短歌としての美しさを保っています。粘れば駄作はひねり出せるのですが、このレベルにはなかなか達しません。
ところが、ごくまれに閃いてしまうときもあったりして、完成度の高いものができてしまったりするわけですが、概ねその頻度は努力の関数となります。そして、やがて私は気づきました、「回文短歌なんか書いていないで、論文書きなさい」、と。
というわけで、ここ最近は書いていなかったのですが、先日、結婚式の祝電の文面に悩み、回文川柳に逃げてしまいました。
遠目でも仲清きかなモテ夫婦
とおめてもなかきよきかなもてめおと
となれば、後はlike a roling stone。ボブディランも復活したようであるし、またはじめるか、と思ったわけでありました。ただし、基本は回文川柳ではなく、回文短歌であります。
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2013/06/01