TOEICの点数を上げるには?
最近の私の趣味は英語学習支援。いちおう、Brain & Languageとか言語学バリバリの専門誌に論文を書いていたりするので、研究の延長ではあるのですが、どうも学生さんを突っついて、TOEICの点数が上がったりすると、それ自体、快感だったりするのです。
TOEICというのは、英語の実力を測るには簡単すぎるのではないか、という揶揄されたりもするのですが、日本人の英語力を測るには難易度が絶妙のレンジに設定してあって、計測ツールとしてはとても重宝いたします。おおまかな体感としては、TOEICの点数と実力には次のような関係があります。
400点未満:なにか根本的に間違っている
400点~:フツーに高校を出ただけ500点~:ちょっとは高校で勉強した感じ
600点~:英語が得意な感じ
700点~:明らかにデキる感じ
800点~:英語が無理なく使える感じ
900点~:英語を武器にしてもよろしい
悲しいかな、我が人間総合理工学科の学生さんの多くは、500以下の水域をうろついていたりもするのですが、逆に言えば、延び代は大きい。教育者としては伸ばす楽しみが味わえるわけです。
では、本題のどうすればTOEICの点数は伸びるのか、ということになるわけですが、どんな方法を採ろうと、確実に言えることが一つあります。それは、「時間が必要だ」ということ。一応、指導ではシャドウイングや多読を勧めていますが、学習時間を確保しなければ話になりません。英語ができないとか、勉強しても実力が上がらないとか嘆く学生のほとんどは、実は英語学習に時間を使っていません。
たとえば、「大学で英語を勉強しても使い物にならない」と思い込んでいる多くの学生さんはどのくらい英語を勉強しているかというと、週に2コマの英語の授業に出て、予習復習はほとんどしないというのが実情でしょう。時間にすると、1.5(時間)×2×30(週)=90時間程度です。年にわずか90時間の英語学習で実力が着くというのは虫がよすぎる話でしょう。しかも、かならずしも1回90分間の授業に集中しているわけではないので、90時間というのはひいき目の見積もりです。
おおまかな目安ではありますが、TOEIC400点程度の実力を800点程度まで上げるためには、1000時間の学習が必要です。ただし、ある程度の集中と継続が必要です。具体的には、1日1時間ならば3年、3時間ならば1年、10時間ならば3ヶ月といった量になります。逆に言えば、そのくらいの時間を費やせば、英語力などというものは、簡単に上がってしまいます。
この場合、実力の上がり方というのは点数に比例するわけではなく、高得点になればなるほど時間は掛かります。400点からスタートして500に上げるまでは125時間、600ならば250時間、700ならば500時間、800ならば1000時間といった具合です。なお、時間と効果はあくまでもイメージです。データサイエンティストが根拠なしにこういうことを言ってはいけないのですが、お許しあれ。
そういう私も、けっこう涙ぐましく英語の学習時間を割いています。基本的に、通勤時にはシャドウイング。よく充電を忘れて泣きますが、ちょこまか稼いで1日1時間程度はキープ。このくらいだと現状維持が精一杯ですが、まあ、やらないよりはマシでしょう。それに、このくらいやっていると、「時間がない」とか主張する学生さんに反撃できるというもの。
ということで、学生さんは、つべこべ言わずに、時間を絞り出して英語の勉強しましょうね。
(檀)
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2014/05/22