回文短歌2:暗い彼

ゆるゆる 回文短歌

回文短歌第二弾はこちらです。

暗い彼 この日頃より まだじらし 溜まり喜び 残れ快楽
くらいかれこのひころよりまたしらしたまりよろこひのこれかいらく

回文は、あるパーツが決まるとその対応部が自動的に決まるという形式上の制約を持っています。「暗い」の裏は常に「快楽」があるのです。だから、安心し て、暗くなりましょう。その裏には必ず、「快楽」が隠れています。そうです、「暗い快楽」を追求していくのが人の道。明るい毎日はイルカにでも任せておき ましょう。この世に回文があるかぎり、「イルカ明るい」というのがさだめなのです。

このように、回文はこの世の真実を映し出す鏡でもあります。

-というのは嘘です。回文における構造的対応部の意味的親和性に、必然性の要素は関与する余地がありません。

一方、↑のような表現を用いたのは、単なる偶然ではないでしょう。アカデミックな表現の背景には、下品さを軽減させようという隠された意図が感じられます。

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