回文短歌1:眠の児

ゆるゆる 回文短歌

まず最初の回文短歌はこちらです。

眠の児の 母見る姿 皆健気 涙擦る身 母のこの胸
ねむのこのははみるすかたみなけなけなみたかするみははのこのむね

回文短歌が今ひとつメジャーな文学になりえぬ一つの理由は、その難解さでしょう。57577の音律を保ちつつ、日本語として意味が通じる文章にするだけで も至難の業です。このため、自ずと、日本語ではあるけれど、意味が今ひとつ理解しがたい、という作品が溜まっていくことになります。少なくとも、解説なし に意味が通じるようになるという文脈的独立性は実現したいところですが、そう簡単にはいきません。理想的には、一見すると回文とは分からず、単なる短歌に しか見えない、というレベルに到達したいものですが、ここまで来たのは後にも先にもこの一回のみです。

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